レンタルした着物をうっかり汚してしまったら…?保険に加入しておこう!
レンタル着物は、普段のお手入れが不要で、必要なときだけ美しい着物を身にまとえる便利なサービスです。店舗によっては着付けやヘアメイク、写真撮影などのサービスにも対応しています。とても便利なレンタル着物ですが、うっかり汚してしまったら追加料金が発生してしまいます。今回はそんな時に役立つレンタル着物の保険を紹介します。
レンタル着物によくある「着物保証」とは
レンタル着物サービスを利用することで、日常生活で着物を着る習慣がなくても、成人式や卒業式など「ここぞ!」というときにばっちり和服を着こなせます。とても便利なレンタル着物ですが、普段着慣れない衣服のため、衣服を汚したり傷つけたりしないための配慮ポイントがわかりませんよね。
そのため、思わぬダメージを着物に与えてしまう恐れがあります。そんなときに備えて、レンタル着物には「着物保証」というサービスがあります。これはレンタル着物店などで着物を借りる際に、事前に決められた追加料金を支払うことで、レンタル中に着物についたシミや汚れ・破損などに対して保証する制度のことです。
着物を身に着けて外出すると、さまざまな汚れや傷を受けるリスクがあります。自己責任でうっかり汚してしまうこともあれば、第三者の不注意によって汚されてしまうこともありえます。着物を汚してしまったら莫大な弁償金を請求されると思うと、おしゃれしても「汚さないこと」ばかりに集中してしまい、楽しく過ごせません。
着物保証は万が一のトラブルに備えて、安心して着物を楽しむために利用できるサービスです。保証内容は店舗によって異なりますが、一般的には普段の使用による汚れや破損・着付け中の事故などがカバーされています。着物保証サービスを利用すると、着物着用中に発生するささやかな汚れを気兼ねなく過ごせることがメリットです。
修繕不可能な汚れ・傷をつけてしまった場合はどうなる?
細心の注意を払っていても、着物を汚してしまうことはよくあることです。自分が注意していても、悪天候の日に泥はねを食らってしまったり、犬猫など動物によるダメージを受けてしまったりすることもあります。
また、食事の席で近隣席の人の食べ物や飲み物の飛沫を受けるなど、他人の不注意で汚れを受けるケースもあります。着物を汚してしまった場合は、あわててゴシゴシこするのは御法度です。汚れが着物の生地繊維の奥に入り込んでしまい、とれなくなってしまうことがあるからです。汚れの原因が水性か油性か、動物性たんぱく質か、泥よごれかによっても、適切な対処方法は異なります。
飲料や食べ物をこぼしてしまった場合は、応急処置として、表面を軽くふき取ることをおすすめします。泥はねは汚れた部分がしっかり乾くまで、放置しておくことが大切です。血液や卵など、動物たんぱくを含む汚れの場合、熱を加えると固まってしまうので、熱いおしぼりなどでふきとると逆効果になってしまいます。
和服や和装小物はデリケートです。立体的な細かい細工の入った帯や髪飾りや刺繍部分などは、なおさらです。汚れてしまった場合の洗濯や、傷の補修は素人に難しく、場合によっては余計に状態をひどくしてしまうこともありますので、素人の手による処置は控えた方がよいでしょう。
プロの手にかかれば修繕可能な汚れも、修繕不可能にしてしまう恐れもあります。レンタル商品の場合は、レンタルショップに問い合わせすることをおすすめします。汚れの原因を伝えて、指示をあおぎましょう。汚れについてはレンタル料金にクリーニング費が含まれている場合も多く、追加請求がないケースも少なくありません。
それでは修繕不可能な汚れや傷が発生した場合はどうでしょうか。タバコなどが原因で焦げ跡がついたり、広範囲にワイン汚れがついたり、なんらかの原因で生地が破けてしまったりなど、修復不可の状態になった場合は弁償が必要になります。
弁償費用はレンタル店によって異なります。店舗によっては故意ではないハプニングでついた破損に対して弁償金を請求しない方針をとっていることもありますが、多くの店舗は破損内容に応じた請求額を定めています。
着物保証でカバーできない汚れの目安は、クリーニングで落とし切れない著しい汚れや破損です。香水やタバコによる過度の香りの付着なども修復不可能とされる場合があります。着物保証を利用してレンタル契約を結ぶ際に、保証の内容をよく確認し、着物を汚損・破損してしまった場合に発生する弁償費用を確認しておきましょう。
またレンタル商品を紛失した場合には、商品代金の実費の請求が課せられることがほとんどです。レンタルした衣類やアイテムは「借りもの」であることを忘れずに、最低限度の心配りをすることが、店舗と顧客の信頼関係構築につながり、借主にとっても余計な出費の削減となります。
きれいな状態で返すために注意したいこと
着物をきれいな状態に返すためには、こまかな動作に注意を払うことが大切です。たとえば、食事の際には飛び散りやすい食べ物を避けることが鉄則です。他にも、口紅やマスカラ・インクのついた紙類を身近な場所に置かないこと、汗をかいた場合はタオルなどで汗をこまめに拭いて汗ジミをつけないこと、香水の使用量に注意し過剰な使用を避けることなどが有効です。
雨天の際には、車の乗り降りにも注意しましょう。着物で車に乗る時は、後ろ向きになってお尻からシートに座り、その後で足を車中にいれるのがスマートです。車体も雨の汚れがついているので、着物の裾を持ち上げて、触らないように用心してください。
また、着物を着脱する際には手を洗い、手についた汚れや皮脂を落とすことも効果的です。これらの対策を心掛けることで、着物を汚さずにきれいな状態に保てます。
まとめ
レンタルした着物を汚してしまった際の対応について紹介しました。レンタル着物を汚損・破損してしまうと、汚れ・傷の状態に応じて弁償が必要ですが、「着物保証」制度を利用することで追加料金がかからなくなります。
ただし、タバコによる消失や香水による過度の香りづけ、広範囲にわたるワイン汚れ・規模の大きい生地破れなど修繕不能なダメージを発生させてしまった場合には、店舗ごとに設定している請求金額を支払うことになります。紛失してしまった場合は商品代金を請求されることがほとんどです。きれいな状態で返すためには、食事や雨天時の動作、こまめな手の洗浄などに気を配ることが大切です。