遊んでいるうちに着崩れた!着崩れを自分で直す方法とは
歴史のある観光地では、着物姿で散策する方をよく見かけます。とくに京都に多く、おもむきのある街並みや建物と一緒に着物姿で撮影していることは珍しくありません。しかし、遊んでいるうちに着崩れてしまうことがあります。そうなると撮影どころではなく、焦ってしまうでしょう。そこで、着崩れを自分で直す方法を簡単に解説します。
着物が着崩れてしまう原因は?
着物を着つけてもらっても、着つけの仕方や着ている人の所作によって着崩れてしまうことがあります。着崩れてしまって焦らないよう、まずは原因についてしっかりと理解しておきましょう。
補正や腰紐がしっかりできていない
とくに自分で気つけた場合、慣れないうちは「苦しいから」としっかり締めない方が多いです。最初はそれでよいかもしれませんが、歩き回っているうちにゆるんでしまい、着崩れの原因となってしまいます。
歩き方や所作が大きい
たとえプロに着つけてもらったとしても、着る人の歩き方や所作が大きいと着崩れてしまうことがあります。たとえば大きな歩幅で歩いたり、大きな身振りをしたりするなどです。洋服を着たときと同じような歩き方などをしていると、着崩れの原因となります。
自分でできる着崩れの直し方
着崩れてしまったときのために、自分でできる着崩れの直し方を解説します。簡単に直せるため、トイレなど鏡のある場所でさっと直してください。
襟元が緩んでしまったとき
「襟が浮いている」「なんだか襟元が開いてきた」こんなときは、襟元を手で添うように撫で、緩んだ部分を帯の下に入れ込んでください。さらにおはしょりの衿先を持って下に引けば、ゆるみがなくなります。おはしょりの余った部分は、中にたくし入れて整えましょう。衣紋のつまりが原因で襟が緩んだ場合は、背中の真ん中を下に引っ張って衣紋を抜いてください。こうすることで、襟元のゆるみが解消できます。
おはしょりが崩れたとき
大きく出てしまったおはしょりは、帯の下に入れ込むことできれいに直せます。シワにならないよう、丁寧に入れましょう。
帯が下がってきたとき
補正がしっかりできていないと、帯が下がってくることがあります。そのときは、帯の下にタオルを折りたたんで挟みましょう。ハンドタオルなどの小さなタオルがもち運びやすく、調整しやすいためおすすめです。タオルを入れ込む位置は正面ではなく、背中側にしましょう。外から見えないよう、しっかりと入れ込んでください。
裾が下がってしまったとき
着物に慣れていないと、階段の上り下りで裾を踏んでしまうことがあります。そうなると裾が下がってしまい、焦ってしまう方も少なくありません。もし裾が下がってしまったら、下がった方の裾を腰紐に挟み込めば解消できます。おはしょりの下から手を入れればできるため、焦らず化粧室などで整えましょう。
トイレの入り方や歩き方にも注意しよう
着物を着崩さないためには、歩き方や所作に気を付けなければいけません。元気な少女のように大きな身振り手振りをすることはもってのほかです。とくに気を付けるべき点はトイレの入り方や歩き方、階段の上り下り、車への乗降などがあります。
トイレの入り方
着物を1枚ずつ左右にめくり、肌着も持って両手で持ちます。そのまま一気に帯が隠れるくらいまでたくし上げましょう。用を足し終えたら1枚ずつ丁寧に直し、きれいに整えれば完成です。洗面所などに姿見があれば、全身を見ながら整えてください。
歩き方
大股で歩くのはNGです。いつもより歩幅を狭くし、少し内股気味に歩きましょう。女性同士で歩くのであれば同じ歩幅で歩けるかもしれませんが、男性と歩くと歩くスピードが速く大股になってしまうことがあります。そのようなときは歩くスピードを遅くするよう伝えるか、裾割りをしましょう。
裾割りは、裾を左右に開くよう膝を曲げれば簡単にできます。人前でするには少し恥ずかしいポーズになるため、着付け後にこっそりと行いましょう。
階段の上り下り
階段で裾を踏まないように、右手で軽く裾を持ち上げて上り下りしてください。このとき、地肌が見えないように持ち上げるのがポイントです。足の地肌が見えると、はしたなく見られることがあります。
車への乗降
洋服の場合は足を大きく開いて乗り降りする方が多いですが、着物はそうはいきません。そのため、腰を中心にして乗り降りします。乗る場合は袖をそろえて横向きになり、浅く腰掛けましょう。このとき、まだ足先は外にあります。それから体を90度回して足を入れてください。
乗車中は、髪や帯がつぶれてしまわないよう気を付けましょう。降りるときは体を90度回し、足をそろえて体を起こします。
まとめ
着物の着崩れが心配な方のために、着崩れの原因とケース別の着崩れの直し方を解説しました。着物は洋服と違い、苦しくて歩きにくいかもしれません。しかし、着崩れを防止してきれいに着こなせば楽しく着ることができます。着崩れが心配な方は、紹介した直し方と所作を参考にしてください。対策をしっかり知っておけば、着崩れを心配せず着物を楽しめるでしょう。