レンタル着物を汚さないコツと汚してしまった際の対処法
着物のレンタルにおける一番の懸念点として「汚してしまった場合にどうすればいいか」というものがあげられます。本記事では、レンタル着物を汚さないようにするコツと、万が一汚してしまった場合の対処方法を解説します。今回の記事を参考に、レンタル着物の汚損を防ぎ、いざというときに慌てないように備えましょう。
レンタル着物が汚れてしまった際の店側の対応
レンタル着物を汚してしまった場合、クリーニング代のことで不安になる方も多いでしょう。
ここでは、レンタル着物店の対応について詳しく解説します。
多少の汚れについては想定済み
まず、レンタル着物のお店では、食べこぼしや泥はねといった軽度の汚れに関してはある程度想定している場合が多いです。
結果として、レンタル料金にクリーニング代が含まれているのがほとんどです。しかし、着物に汚れがついたままでは気持ちよく街歩きができないので、応急処置の方法を覚えておくと便利です。
汚れがひどいと弁済を求められる場合もある
とはいえ、汚れがひどくなると状況は変わります。
たとえば、ワインやカレーの油性のシミは、一般的な着物クリーニングでは落ちない場合が多いです。また、香水の匂い移りやタバコによる焦げが発生すると、簡単には修復できません。修復が難しい場合、クリーニング代や修復費用を請求されたり、弁償を求められる可能性があります。
したがって、着物をレンタルする際は、香水の使用を避け、喫煙しないようにするのが重要です。
汚れが心配であれば着物保険の利用がおすすめ
汚れるのが心配な方には、着物保険がおすすめです。
一部のレンタル着物店では、着物保険を提供しています。保険の料金は500円から1,000円程度が相場ですが、店によって金額や補償内容が異なります。ただし、保険に加入しても、汚れや破損の内容によっては補償の対象外となる可能性があるため、補償内容をきちんと確認しましょう。
レンタル着物を汚さないようにするコツ
ここでは、シーン別にレンタル着物を汚さないためのコツを紹介します。
食事をする際のコツ
食事をする際に注意するべきポイントは食べこぼしです。
食べこぼしを防ぐための簡単な方法として、大きめのハンカチを膝に広げるのをおすすめします。ハンカチが食べこぼしをキャッチしてくれるため、着物に直接汚れが付くのを防げるでしょう。
また、テーブルの上にあるグラスやしょうゆの調味料を取るときには、着物の袖口の下部分を押さえると、袖を汚しにくいです。袖を広げてしまうと、食事の際に汚れる可能性が高くなります。
遠くにあるものを取る必要がある場合は、同席している友人や店員さんにお願いして取ってもらうのがよいでしょう。自分で無理に手を伸ばすと、着物が触れて汚れるリスクがあります。
街歩きする際のコツ
街歩き中は、着物の裾を汚さないようにすることが重要です。
とくに階段や段差の上り下りをする際には、洋服を着るときと同じ感覚で動いてはいけません。裾を踏んでしまったり、汚してしまったりする可能性があります。階段や段差を歩くときは、着物を少し持ち上げるようにして裾が地面に触れないようにしましょう。
また、雨の日や水たまりの近くを避けるのも重要です。水たまりや泥が跳ねて、裾に汚れが付くのを防ぐために、雨の日にはなるべく歩かないようにしましょう。もし雨に当たってしまった場合は、すぐに裾を拭くといった対処をするとよいです。
レンタル着物を汚してしまった際にするべきこと
レンタル着物を汚してしまった場合は、落ち着いて適切な応急処置を行うのが大切です。
以下に、汚れの種類別に応急処置の方法をご紹介します。
食べこぼしや口紅・ファンデーションなどの油性汚れ
食事中の食べこぼしや、化粧直しで付いた口紅やファンデーションといった油性の汚れは、お湯を使って消そうとすると油分が溶けて汚れが広がってしまいます。
まず、汚れた部分をこすらずに、固形物をティッシュで優しくつまみ取ります。この時、強くこすったり押したりしないようにしましょう。最後は、ティッシュやタオルでシミの広がりを抑えます。
コーヒー・お酒・しょうゆなど水性の汚れ
コーヒーやお酒、しょうゆやソースの汚れには、食器洗い用の中性洗剤を使うのが理想です。
しかし、街歩き中はその場で対処する必要があるかもしれません。そういった場合は、濡れタオルかティッシュ、やわらかい布を使って汚れを軽く吸い取ります。この際、強く押し付けると繊維に汚れが染み込む恐れがあるため、優しく押さえて水分だけを取り除くようにしましょう。
卵や血液の汚れ
卵や血液など、タンパク質を含む汚れは熱で固まる性質があるため、お湯や温かいおしぼりを使うのは避けるべきです。
汚れが付いた部分は、濡れタオルやティッシュでそっと水分を取り去ります。アルコール除菌のウェットティッシュを使用すると、着物を傷める可能性があるため、使わないほうがよいです。
泥はねの汚れ
雨の日の街歩きでは、着物の裾に泥はねが付く場合があります。
こうした場合は、まずはそのまま乾かしてから、やわらかいブラシで汚れを落とすようにします。泥はねの汚れを濡れた状態でこすると、生地の内部に汚れが入り込んでしまう可能性があるため注意が必要です。
まとめ
レンタル着物を汚さないためには、食事中に大判のハンカチを膝に広げる、裾を持ち上げて歩くなどの工夫が重要です。万が一汚してしまった場合、軽度の汚れならクリーニング代が含まれていることが多いですが、ワインや油性のシミといったひどい汚れには弁償が求められる可能性もあります。汚れ別の応急処置法として、食べこぼしや油性汚れには固形物をつまみ取り、コーヒーやソースには水分を軽く吸い取るのが効果的です。汚れが心配な方には、着物保険の利用も検討しましょう。